真備(まきび)公が 文化伝えし 遣唐使



 

■ 吉備真備駅

 

 全国には大久保、古川、田中など人の姓と同じ鉄道の駅名は数多有るが、人名がそのまま駅名になる事は珍しいと言われている。

そんな中、岡山県下にはJR伯備線に幕末期の儒家・陽明学者で、備中松山藩の財政改革立役者である山田方谷に因んだ「方谷」駅があり、智頭急行線にはそのものズバリの超有名な剣豪「宮本武蔵」と言う駅(下写真)がある。

さらに井原鉄道井原線にも、有名な偉人の名が付けられた駅が有る。「吉備真備(きびのまきび)」駅である。

 

吉備真備(きびのまきび)

吉備真備(きびのまきび)

吉備真備(きびのまきび)

 

吉備真備(きびのまきび)

吉備真備(きびのまきび)

吉備真備(きびのまきび)

 

真備は奈良時代に活躍した政治家・学者で、この地方では有力な豪族である吉備族に連なる下道氏の出で、現在の倉敷市真備(まび)町で生まれたとされている。最初は23歳の頃に唐に渡り18年間も滞在し、儒教、法律、算術、天文、兵法、暦法などを学び、帰国後は聖武天皇から重用され、国の制度改革や文化の発展に尽くした。

更に囲碁の伝来やカタカナの発明にも関わったと伝えられている。

 

50歳を過ぎ、吉備姓を名乗るようになるが、地方豪族の出身でありながら異例の出世に中央貴族の反発も強く、筑前の守として九州に左遷されることもあった。57歳の頃には遣唐副使として2回目の渡唐を遂げているが、70歳で再び都に呼び戻され、道鏡の乱では兵法の知識を生かし鎮圧した。その後称徳天皇の時代にも出世を重ね、右大臣まで上り詰めた人物である。

 

「備真備(きびのまきび)駅

「備真備(きびのまきび)駅

「備真備(きびのまきび)駅

 

「備真備(きびのまきび)駅

「備真備(きびのまきび)駅

「備真備(きびのまきび)駅

 

吉備真備駅

吉備真備駅

吉備真備駅

 

駅は相対式のホーム2面2線を持つ行き違いの出来る高架造りだ。

同線開業と同時に設けられた無人駅で、高架橋の下には中華風をイメージした待合室がある。

 

 駅前には高架橋を挟んだ南北に、広々とした駐車場とバスターミナルのロータリーがあり、その一角が公園風に整備されている。

中華っぽい模様が入った煉瓦タイルの歩道があり、並木代わりに特産の竹を植えた道を行くとその先に、黒瓦葺き二層屋根、赤い柱が目立つ中華風の大きな建物が建っている。

四方がガラス窓の建物で、バスの待合室となっている。周りには碁盤を模した石のテーブルも置かれている。

 

「備真備(きびのまきび)駅

「備真備(きびのまきび)駅

「備真備(きびのまきび)駅

 

「備真備(きびのまきび)駅

「備真備(きびのまきび)駅

「備真備(きびのまきび)駅

 

「備真備(きびのまきび)駅

「備真備(きびのまきび)駅

「備真備(きびのまきび)駅

 

 

■ まきび公園

 

「吉備真備」駅からなら北西におよそ1キロ、歩いて15分ほどのところに、旧山陽道沿いの緑濃い緩やかな丘を利用して造られた「まきび公園」がある。中国西安に吉備真備記念碑が立てられたのを記念して、昭和61年に旧真備町がこの地に開園した中国風の公園で、特産の竹工芸品を製作販売する工房や、お茶や食事の出来るたけのこ茶屋では土産も販売されている。

 

 公園には傾斜を利用した流水で結んだ三つの池(上の池、中の池、下ノ池)を廻らし、渓流風な小さな滝もある。

白壁の中央を丸くくりぬいた門窓を潜ると、その池が有り、幅の狭い石の太鼓橋が架けられていて、その先に庭園の中心的な施設である中華風の建物・六角亭が異国情緒豊かに建っている。

その周りには中国で珍重されるカイやエンジュ、ウメ、ヤナギ等の他、サクラや、ツツジや、ボタンなどたくさんの花木が植えられていて、花の季節には来園者の目を楽しませている。

 

まきび公園

まきび公園

まきび公園

 

まきび公園

まきび公園

まきび公園

 

まきび公園

まきび公園

まきび公園

 

まきび公園

まきび公園

まきび公園

 

まきび公園

まきび公園

まきび公園

 

 公園の主要な施設が「まきび記念館」(入場無料)である。

黒瓦葺きの四隅が大きく上に反り返った屋根を持ち、白壁を廻らし赤い柱が支える構造がいかにも中国風と言った大きな建物だ。

館内では公の生い立ちや、忠実に復元した遣唐使船の模型や、遣唐使としての活躍の様子、公が日本に伝えた物などが、イラストを用いて子供向けに易しく解説されているので、容易に学び知ることが出来る。

また入り口近くには園を見通す休憩施設も用意されている。

 

まきび記念館

まきび記念館

まきび記念館

 

まきび記念館

まきび記念館

まきび記念館

 

まきび記念館

まきび記念館

まきび記念館

 

まきび記念館

まきび記念館

まきび記念館

 

まきび記念館

まきび記念館

まきび記念館

 

 園の一角には公の創建と伝わる真言宗のお寺、吉備寺も建っている。

飛鳥時代に存在した箭田廃寺の跡地に建てられた寺で、吉備氏の菩提寺となっていて、現在の建物は江戸時代に建てられたと言う。

寺の南側には、地元では吉備さまと呼ばれ親しまれているお堂が有り、その横の霊廟「吉備公墓」は真備の墓と伝えられている。

 

吉備寺

吉備寺

吉備寺

 

吉備寺

吉備寺

吉備寺

 

吉備寺

吉備寺

吉備寺

 

吉備寺

吉備寺

吉備寺

 

吉備寺

吉備寺

吉備寺

 

 

■ 吉備真備公園

 

 井原鉄道井原線の三谷駅から、東に2キロ程離れたところに「吉備真備公園」が有る。

「まきび公園」は、旧真備町が整備したものだが、こちらは矢掛町が整備した日本の歴史公園100選に選定されている歴史公園で、遣唐留学生の吉備真備が帰国して以来1250年になるのを記念して造られたものだ。

 

 旧山陽道の北に位置するこの地では、土塁に囲まれた平地が有り、そこでは古くから奈良時代の布目瓦片が出土することから、吉備真備公の館跡と伝承されていて町の遺跡の指定を受けている。

この地は廃寺跡とも伝えられていて、今では吉備大臣宮として吉備真備を祀っている。

 

吉備真備公園

吉備真備公園

吉備真備公園

 

吉備真備公園

吉備真備公園

吉備真備公園

 

吉備真備公園

吉備真備公園

吉備真備公園

 

公園の入口を入ると80メートル余りの石敷きの参道が真っ直ぐに伸びていて、その先に二段になった基壇を設けている。

これは古代中国の様式に倣った物らしい。その上段の中央には高さが6メートル以上も有ろうかと言う大きな公の銅像がある。

その前には公の生い立ちや功績を説明した屏風仕立ての「吉備大臣入唐絵詞」や、日時計などが配置されている。

又公は日本に最初に囲碁を伝えたと言われていて、公園内には「囲碁発祥の地」の記念碑や大きな石造りの碁盤が置かれている。

 

吉備真備公園

吉備真備公園

吉備真備公園

 

吉備真備公園

吉備真備公園

吉備真備公園

 

吉備真備公園

吉備真備公園

吉備真備公園

 

吉備真備公園

吉備真備公園

吉備真備公園

 

 背後の丘陵地には前方後円墳を模った「古代の丘」と名付けられた広場があり、四方を守る方位石、風俗を示す風物石、公の功績を示す歴史石などが古代祭祀遺跡の環状列石のようなオブジェとして配置され、広々とした丘は森林浴の出来る憩いの場として開放されている。

 

広場の一角には中国の屋敷を再現した「館址亭」が休憩所として建てられている。

併設されたうどん屋さんは、園内にある公生誕産湯の井戸水を使用した手打ちうどんが人気だ。

 

吉備真備公園

吉備真備公園

吉備真備公園

 

吉備真備公園

吉備真備公園

吉備真備公園

 

 

■ 交通案内

 

 ■ まきび公園

 

    電車  井原鉄道井原線 吉備真備駅下車 北西に徒歩0.9Km 15

 

    車   山陽自動車道 玉島ICから 県道54号経由 6.9Kn 15

 

 ■ 吉備真備公園

 

    電車  井原鉄道井原線 三谷駅下車 西に徒歩1.8Km 25

 

    車   山陽自動車道 玉島ICから 県道54号から国道486号経由 9.9Kn 20

 



 

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