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■オリーブ園
瀬戸内海に面した風光明媚な「牛窓」の海を見下ろす高台にあるのが「牛窓オリーブ園」だ。 港をあとに町中を抜け、背後に迫る九十九折りの山道を登ると、そこには斜面を利用した凡そ10ヘクタールの土地に2,000本のオリーブの木が植えられたオリーブ園が広がっている。 毎年6月初めの頃には淡白色の花が咲き、辺り一面に芳香を放つベストシーズンを迎え、その実が実る頃には園を挙げての収穫祭も行われる。
広大な園内には遊歩道が整備され、点在する古墳群を見て回ることが出来る。 また芝生広場の頂やローマの丘、直売場の屋上展望台からは、正面に浮かぶ前島や黄島・黒島を始め、小豆島など瀬戸内海の島々、遠くは四国の屋島などの山並みまでが一望できる。 最近では園内にある「幸福の鐘」が、「恋人の聖地」として、二人でゆっくり三回鳴らせば、幸福が訪れると人気だ。
■牛窓千軒
「牛窓」は、かつて朝鮮通信使の通行時には備前岡山藩が接待する湊として使用されていた。 昔から瀬戸内海航路の風待ち・潮待ちの要港として、更に江戸時代になると岡山藩の貿易港として栄え、「牛窓千軒」と言われるほどの繁栄を極めた港町である。そんな古の面影は、漁村特有の曲がりくねった細い路地、「しおまち唐琴通り」に偲ぶことが出来るが、今日では海を望む立地を売りに、リゾートホテルや民宿、ペンションなどの宿泊施設がたくさんできた。また西日本最大級のヨットハーバーもあり、ヨットセーリングやシーカヤックなどの体験、海水浴、釣りなどマリンレジャーなども楽しむことが出来るなど、「日本のエーゲ海」とも呼ばれる観光の町に変貌を遂げている。
前島に渡るフェリー乗り場を背に、細い路地のような通りに足を踏み入れれば、格子窓の民家、洋風の木造民家、レンガ造りの洋館(登録有形文化財:街角ミュゼ 牛窓文化館)などが立ち並び、昭和の懐かしい佇まいを見せてくれる。そんな通りからふと後ろを振り返れば、雑然とした屋並みの上に古刹の塔も望まれる。
通りを抜ければ目の前は唐琴の瀬戸、その先に播磨灘のきらめく海原が広がり、そこには復元された夜間通航の標識「牛窓燈籠堂」が聳え建っている。丁度このあたりから先が小型漁船の造船所が建ち並ぶ東町である。 こんな町並みでは、国民的な人気映画「釣りバカ日誌18」や、今村昌平監督の「カンゾー先生」など数多くのロケが行われた。
■本蓮寺
湊を見下ろす高台に室町時代に創建された古刹「日蓮宗本蓮寺」が建っている。 路地の先の石門を抜け、石段を登り参道を進むと山門が有り、それを潜れば深い緑を背にした境内が広がっていて、そこには三重塔が聳え建ち、本瓦葺寄棟造りの本堂や中門・番神堂などの堂宇が立ち並んでいる。 江戸時代には客殿が朝鮮通信使の宿舎として使用されたところで、それらの建物は国の重要文化財に指定されている。また境内も朝鮮通信使遺跡として国の史跡に指定されている。
そんな影響を受けた当地には異国風の衣装を着け、唐人笠を付けて舞う「唐人踊り」が伝えられている。 旧牛窓警察署本館を利用した「牛窓海遊文化館」では、そんな当時の使節団の衣裳や、町の様子などに触れることが出来る。
■交通案内
■ 牛窓 車 : 山陽自動車道 山陽IC下車、 県道35号等経由25Km(50分) 又は岡山IC下車、 国道30・250号等経由 36Km(70分) 電車:JR赤穂線 西大寺駅下車(岡山から約15分) 又は邑久駅下車 (岡山から約30分) 各々駅前から両備バス 牛窓行に乗車
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