■渋川公園のフジ

　白砂青松の渋川海岸は、シーズンには県下でも有数の海水浴場として賑わっている。

波静かな瀬戸内の海に浮かぶ小島や、遥かに瀬戸大橋を望む白砂の海岸は、およそ１キロにも及ぶという。

ここは“日本の渚”、“日本の白砂青松”、“快水浴場” 、環境省の各百選に選定された海岸でもある。

　その渋川海岸に面して大きなリゾートホテルが建ち、その前には広大な駐車場が広がる。

その駐車場の周囲をぐるりと取り囲むように、長大なフジ棚が伸びている。

長さはおよそ900ｍ、日本一の長さを誇るフジ棚には、８種約530本のフジが植えられていて、毎年４月の下旬から５月の上旬にかけ薄紫や、白の花が咲き誇り、甘い香りに包まれた見事な花のトンネルが出来上がる。

■和気藤公園のフジ

その昔、ここ藤野の地はフジが咲き乱れる原野であった。　

その藤野の地に生まれた和気清麻呂公の生誕1,250年を記念して、昭和60年に整備されたのが“和気藤公園”である。

日笠川に架かる赤い欄干の“かすみ橋”を渡ると、和気一族の氏神として信仰を集めた和気神社がある。

その本殿に向かう石段の手前、左側に藤公園が広がっている。

北は北海道から南は鹿児島まで、全国46都道府県から著名なフジが集められ、中には中国や韓国のフジもあり、その種類の多さでは日本一を誇っている。

7,000平方メートルにも及ぶ芝生の敷地には、幅7メートル　総延長500ｍ　面積3,600平方メートルのフジ棚が広がり、およそ150本ものフジが植えられている。

中には、国や県の天然記念物に指定された貴重な種類もある。

■倉敷阿智神社のフジ

　何時も観光客で賑わう白壁の倉敷美観地区の、その中心をなす大原美術館や倉敷川あたりから、市街地の方に少し目を逸らすとこんもりと盛り上がる鶴形山を見つけることが出来る。

かつては瀬戸内海に浮かぶ島であり、今ではその名残を残す緑が豊かに茂り、鶴形山公園として市民の憩いの場所となっている。

その森には古くから神々の磐座が点在し、旧倉敷の総鎮守として鎮座する阿智神社とともに、人々の篤い信仰を集めてきた。

そんな公園の一角に、県の天然記念物に指定された“阿智のフジ”はある。

推定樹齢が約300〜500年のアケボノフジと呼ばれる品種で、根回り1.5メートル、根元周囲2.2メートル、全国でも最も古く、最大級のフジとされている。

毎年5月の初旬には、20メートル四方に張り巡らせた枝いっぱいに淡紅色の花が開き、鮮やかに、香りも高く大きな棚を彩るというが、残念ながらこの日は既に見ごろを過ぎていた。

■交通案内

　　■　渋川海岸

・ＪＲ電車　瀬戸大橋線宇野駅下車。

　　　　　　　　　 宇野駅前から両備バス・渋川特急線（17分）　瀬戸内マリンホテル前下車、すぐ前

　　　 ・路線バス　ＪＲ岡山駅前から両備バス・渋川特急線（70分）　瀬戸内マリンホテル前下車、すぐ前

　　■　和気藤公園

・ＪＲ電車　山陽本線和気駅下車。

　　　　　　　　　 和気駅前から日笠行きバス（10分）　和気神社前下車

　　　 ・マイカー　山陽自動車道和気ＩＣ下車　国道374号を和気方面へ（6.6Km　15分）

　　■　阿智神社

・ＪＲ電車　山陽本線倉敷駅下車、徒歩７分。

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