JR宇都宮駅から日光線に乗り、日光駅に向かう。
日光線は、宇都宮と日光の間40.5qを7駅で結ぶ、国際観光都市・日光へのアクセス路線である。
途中の鹿沼までは通勤通学区間で、区間運転も多く、宇都宮で東北本線へ直通する列車も設定されている。
そこから先は概ね1時間に1〜2本程度の普通列車が運行されている。
ただ、今日でも修学旅行の団体臨時列車は運行されているらしく、皇族や外国人観光客の利用も多いという。
終点の日光駅は、2面3線の長大なホームをする駅である。
駅舎のあるホームの中央辺りに「貴賓室」があり、皇族や外国の要人を迎い入れていた歴史を感じさせる。
「明治時代の面影を残す白亜の駅舎」は、名駅舎として知られていて、関東の駅百選に選ばれている。
大正元年(1912)年に完成した駅舎で、22年前の開業当時に建てられた駅舎からは二代目に当る。
ネオ・ルネッサンス様式で、ハーフティンバー式と言うらしく、洋風木造二階建てである。
ほぼ左右が対称な落ち着いた端正な造りで、一等客用の待合室や、団体待合室などを備えている。
JRの駅から、歩いても3分程の距離しか離れていないところに東武の日光駅が有る。
首都圏からなら浅草から直行出来る東武線の方が早くて便利が良いらしく、観光客もこちらの利用が多いらしい。
それを裏付けるかのような、飲食店や土産物店が軒を並べる駅前の姿は、JR駅前と比べると雲泥の差がある。
世界遺産・日光東照宮
「東照宮」は、JR日光駅前から、中禅寺温泉または湯本温泉行きバスで5分ほどの所にある。
赤い欄干の「神橋」が見えたら、入口である。
ここまではバスも良いが、時間があれば、門前町をゆっくり歩いて向かうのも楽しそうだ。
凡そ40年ぶりの日光再訪である。
とは言え、「日光に来た」と言う事実以外、何も其の当時の事は覚えていない。
国際観光都市日光の世界遺産「日光東照宮」である、さすがに観光客が多い。
家族連れ、カップルは勿論、修学旅行などの学生や外国人のグループも多く、都会の雑踏並みの混みようだ。
表参道を進み、輪王寺黒門や稲荷社の先の黒田長政が奉納した石の鳥居を潜ると、「五重塔」が見えてくる。
一層目の軒下には十二支が彫り込まれているという。
特に虎・卯・辰は、徳川三代の干支に当り、東照宮の至る所に彫刻が施されているらしい。
「表門」を抜けて神域に入ると、まず見えてくるのが、「神厩舎」である。
神様のお使いである、馬を飼っていた場所だけに建物自体、豪華ではあるが派手さは感じられない。
梁の下には多彩に色づけされた、ユーモラスな姿を見せる彫刻が施されている。
元来、猿は馬の安全を守る動物とされ、こうした場所に描かれるのだそうだ。
そんな中でも特に知られた存在が、「みざる・いわざる・きかざる」の三猿である。
葵のご紋の入った鳥居の先は、石垣の組まれた高台になっていて、そこに有名な「陽明門」が建っている。
軒下の複雑な木組みには、金箔が惜しみなく使われた麒麟や龍の彫り物を、至る所で見ることが出来る。
絢爛豪華な装飾は、一日中見ていても見飽きない事から、「日暮らしの門」とも呼ばれている。
元々「東照宮」は、「東から全国を照らし守護する神社」だけに、国家の安寧を願う宗教施設として建てられた。
その為装飾には、平和を願い瑞獣や、古代中国の政治家や王の姿等が描かれ、あしらわれていると言う。
「唐門」の屋根には、夜の守護をする霊獣
“つつが”や、昼の守護を司る“鰭切れの龍”が飾られている。
「神輿舎」は、春と秋に行われる例大祭で渡御する煌びやかな神輿が、収められている。
その渡御祭り「百物揃千人行列」奉仕者一万二千人分の衣装が収められたのが、「三神庫」である。
御本社の東側に回廊が有り、それを潜ると家康が眠る墓所「奥宮」に通じる207段の階段が延びている。
その坂下門の入口付近にあるのが、有名な「眠りネコ」で、その裏側には雀の飛ぶ彫刻も施されている。
家康の墓所には、「ネズミ一匹通さない」とか、「雀も平和で飛び回れる」等との想いが込められているという。
階段を上り詰めると拝殿が有り、その奥に家康の眠る墓所があり、この境内でも特別神聖な場所とされている。
「本地堂」(薬師堂)は、狩野派の画家、狩野安信が描いたとされる「鳴龍」が知られている。
天井に描かれ龍の頭の真下で拍子木を打つと、残響音が響きわたりそれが龍の鳴き声に聞こえるのだ。
日光二荒山神社
東照宮から歩いて10分ほどのところにあるのが、「日光二荒山神社」である。
参道は「上神道」と呼ばれ、生気の通り道で、近年ではパワースポットとして知られている。
縁結びの神社として人気だそうだ。
境内では、ピンクのハートの描かれた絵馬が売られていて、良縁など願い事をする参拝客も多いらしい。
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