米子駅の「霊(0)番線」には、文字通り妖怪たちが溢れている。
階段や柱にキャラクターが描かれ、ブロンズ像や立て看板等、そのアイテムは豊富で見飽きることが無い。
又この路線にはキャラクター車両が運行されており、それらの車両の内外にもキャラクターが溢れている。
運が良ければ、そんな電車に引きずり込まれて、境港に連れて行かれるかも知れない。
そんなわくわく感と妖気が、こころなし薄暗いこのホームには溢れている。
境線は、日本海の美保湾と中海に挟まれた砂州・弓ヶ浜半島の松林の中を行く18q程のローカル線である。
米子市と日本海側の貿易や漁業の拠点港・境港の有る境港市とを結んでいる。
歴史は古く、明治35(1902)年、山陰初の鉄道・山陰本線として、境港〜米子〜御来屋間で開業した。
境港からの資材搬送用ルートとして期待されてのもので、境線となるのはその7年後である。
境線 境港駅
沿線の途中にはJRの車両工場や米子空港、航空自衛隊美保基地などが有る。
世界的にも貴重な環日本海諸国の伝統文化のコレクションを展示する「アジア博物館」がある。
また中国との文化交流に尽力した作家「井上靖の記念館」もこの沿線にある。
境線には、16もの駅が有り、これらの駅には全て愛称がふられている。
起点の米子は「ねずみ男駅」で、終点の境港駅は妖怪の町への入口で、「鬼太郎駅」と名付けられている。
これは同市出身の漫画家・水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する妖怪達の名前だ。
「一反木綿」や「砂かけばばあ」「こなきじじい」等々も有り、各駅のホームにある駅名標に書かれている。
境港では、「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する妖怪たちが、街おこし、観光客の「魂抜き」に一役買っている。
米子から終点までの各駅には、妖怪達の名前が愛称として付けられ、イラスト等も楽しめる。
またコラボ事業により、平成5(1993)年、ラッピングを施した「鬼太郎列車」の運行も始まった。
車体には、鬼太郎、ねこ娘、ねずみ男、目玉おやじ等のお馴染みのキャラクターが所狭しと描かれている。
妖怪ワールドへの入口
大山(1709m)は、中国地方では最高峰の山で、北西から見る姿は、「伯耆富士」と呼ばれている。
その北西に位置する米子の町からも、霊峰の秀麗な山容を望むことが出来る。
境港市はそんな米子から、JR境線で凡そ40分、日本海側の重要な港と共に栄えた町だ。
港の80q沖合にある隠岐の島と連絡する、隠岐汽船もこの港から発着している。
近年では、妖怪による町おこしが行われた町として、いまや全国的な知名度を誇る町でもある。
観光の中心が「水木しげるロード」や「水木しげる記念館」「妖怪神社」「河童の泉」等の妖怪達だ。
その水木しげるの世界を巡る玄関口が「鬼太郎駅(JR境港駅)」である。
駅前には水木しげる執筆中の像が有り、登場する妖怪達がそこに集っている。
鬼太郎ポストが立ち、河童の三平やタヌキ達が竹馬で遊んでいて、いきなりの妖怪ワールドである。
境港は今や妖怪たちが溢れているが、ここはマグロ、松葉カニ、紅ズワイガニの水揚げ日本一の港でもある。
毎年9月1日に紅ズワイガニ漁が、11月の中旬になると松葉カニも解禁される。
シーズンには境港さかなセンターに、美味しくて安いカニや魚を求めて、大勢の人々が買い物に集まってくる。
町中にも新鮮な魚介類を提供する食事処が沢山有り、これ目当ての観光客も多い。
今や境港は、多彩な妖怪達の世界と、新鮮な海の幸料理が楽しめる町として俄に注目されている。
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